今回はピストンリングの組付けについて書いていきます。前回(「エンジン分解整備4-バルブ&ピストン取り外し-」)で分解作業が終了し、部品も洗浄してきれいになったので今回から数回に分けてエンジン組付けについて書いていきたいと思います。
K6Aエンジンのピストンリングの組付けについては事前にかなり調べましたが、インターネット上にあまり詳しい情報が無く、ピルトンリングの順番や合口の位置など、かなり迷う部分がありましたので、今回は整備書と照らし合わせてできるだけ正しい情報を書いていきたいと思います。
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・落札したジムニーJB23は、不具合だらけ…
・錆との闘い1
・錆との闘い2-武器の紹介ー
・錆との闘い3-ケレンな日々-
・錆との闘い4-防錆塗料な日々-
・錆との闘い5-フレーム&ボディ内部の錆止め-
・錆との闘い6-FRPで顔面修復-
・錆との闘い7-ボディマウント補修
・クラッチ交換1-ミッション降し編-
・クラッチ交換2-格安部品交換-
・足回り補修
・要注意!排気バルブが割れている時の排気音
・バンパーカット&ナンバー移動
・車検不合格
・エンジン分解整備1-エンジンヘッドカバー・オイルパン取り外し-
・エンジン分解整備2-オイルポンプケース(タイミングチェーンカバー)取り外し-
・エンジン分解整備3-シリンダーヘッド取り外し-
・エンジン分解整備4-バルブ&ピストン取り外し-
・エンジン分解整備5-ピストンリング組付け-
・ジムニーでタイヤのビード落とし、からのタイヤ手組み
・車中泊用シェードをプラダンで格安DIY
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まずは、洗浄した部品たちを改めて紹介します。スラッジやカーボンでドロドロ真っ黒だった部品たちを強力パーツクリーナーに浸すこと3日間。部品たちが見違えるようにきれいになりました。
↑ヘッドカバーはピカピカですが、コーティング?が剥がれてしまってまだらになっています。ちなみにまだらは洗浄前からでしたので、パーツクリーナーが原因ではなさそうです。
↑シリンダーヘッドは新品と見間違えるほどピカピカになりました。
↑ピルポンプケース(タイミングチェーンカバー)も新品同様です。
↑カムシャフトもピカピカです。オイルレベルゲージはエンジンの前方に設置されているせいか腐食が見られて白くなってしまっています。エキゾーストマニホールドは汚れは落ちましたが錆は当然落ちていません。
↑ピストンもピカピカです。コネクチングロッドのベアリング(メタル)は表面が若干荒れています。
ちなみにこのパーツクリーナーは洗浄後、若干の防錆効果があるようです。しかし、あくまで「若干」ですので、長期間放置すれば錆が浮いてきます。長期間放置せざるを得ない場合は、オイルを塗布してラップで包むなどの対策を取りましょう。
ピストン周辺部品は、ピストンリング以外は摩耗があまり見られなかったので、部品は全て再利用することとしました。
しかし、組付ける前にコネクチングロッドのベアリングとの当たり面を見てみると汚い・・・。
汚れがすり潰されてこびりついている感じです。
試しにピカールで磨いてみると、すぐにピカピカになりました。
コネクチングロッドベアリングもピカールで磨くとピカピカになりました。ただし、整備書には「スクレーパー等でベアリングの修正を行わないこと」とありますので、やりすぎは禁物です。研磨しすぎると油すき間も変わってしまう可能性があるので、本当に表面をさらっと磨く程度に留めた方が良いと思います。
↑ピカピカになりました。
3本全て軽く磨きました。うっとりするくらいピカピカです。
次に古いピストンリングを取り外します。取り外しにはピストンリングプライヤーがあると便利です。
ピストンリングを外すだけなら手でも外すことはできますが、取り付けの際に手で取り付けるとピストンリングが歪む可能性があります。それ程高い工具でもないので購入しておいた方が無難です。
ピストンリングを外してみると、オイルリングで掻き取ったオイルを逃がす穴がカーボンで塞がってしまっています・・・強力パーツクリーナーでも落としきれなかったようです。穴がきちんと貫通している方が性能的にも良いのは間違いなさそうなのでこれもきれいにします。
1.5mmのドリルの刃を使って穴に詰まったカーボンをホジホジしていきます。もちろん電動工具は使わずに手で優しくホジホジです。
すると、カーボンが出るわ出るわ。上の写真は穴1箇所分から出たカーボンの量です。これを3つのピストンの全ての穴について行っていきます。
ピストンがきれいになったら、いよいよ新しいピストンリングを組付けていきます。
ピストンリングの品番は「12140-73G01」でした。
ご覧のとおり、駄菓子のおもちゃようなパッケージに入っており、ピストンリングの順番がバラバラになっています・・・
オイルリング以外のリングには「R」と「RN」のマークがついており、どちらがファーストリングかセカンドかについてネットで色々と調べてみましたが、結構書いてあることがバラバラで混乱してしまいました。そんな時は頼れる整備書です。
しかし整備書にも、どのマークがどっちのリングなのかは書いていません。あくまで断面形状で判断するようです。
断面をアップにしてみると、セカンドリングは淵に段差があることがわかります。これを目印にしてリングを組み付けてみると、ファーストリングは「RN」のマークがあるもの。セカンドリングは「R」のマークがあるものとなりました。
そして、忘れてはいけないのが、ピストンリングの合口(切り欠き)の位置です。合口の位置はメーカーで指定されており、正しい位置にセットしないと圧縮が漏れたりオイルを消費したりする原因となるとのことです。
K6Aエンジンの合口の位置は上図のようになっています。ピストンリングがすぐにくるくる回ってしまうので、かなり面倒な作業でした。特にオイルリングは3枚の薄いリングで構成されているので合口の位置を微調整するのが大変でした。
苦労の末、ようやくピストン一式が組み上がりました。ちなみに、整備書には「ベアリングを組み付けるときは、ベアリングにはオイルを塗布しない。」との注意書きがあるので注意しましょう。自分はがっつり塗ってしまいました・・・
ピストンをエンジンに組付けるまで期間が開きそうだったので、全体にオイルを塗ってラップで包んで保管しておきました。こうしておくことで錆を防ぐことができます。
今回はここまでにします。次回は、バルブのすり合わせについて書いていきたいと思います。
続く
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K6Aエンジンのピストンリングの組付けについては事前にかなり調べましたが、インターネット上にあまり詳しい情報が無く、ピルトンリングの順番や合口の位置など、かなり迷う部分がありましたので、今回は整備書と照らし合わせてできるだけ正しい情報を書いていきたいと思います。
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・落札したジムニーJB23は、不具合だらけ…
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・錆との闘い4-防錆塗料な日々-
・錆との闘い5-フレーム&ボディ内部の錆止め-
・錆との闘い6-FRPで顔面修復-
・錆との闘い7-ボディマウント補修
・クラッチ交換1-ミッション降し編-
・クラッチ交換2-格安部品交換-
・足回り補修
・要注意!排気バルブが割れている時の排気音
・バンパーカット&ナンバー移動
・車検不合格
・エンジン分解整備1-エンジンヘッドカバー・オイルパン取り外し-
・エンジン分解整備2-オイルポンプケース(タイミングチェーンカバー)取り外し-
・エンジン分解整備3-シリンダーヘッド取り外し-
・エンジン分解整備4-バルブ&ピストン取り外し-
・エンジン分解整備5-ピストンリング組付け-
・ジムニーでタイヤのビード落とし、からのタイヤ手組み
・車中泊用シェードをプラダンで格安DIY
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1.洗浄後の部品たち
まずは、洗浄した部品たちを改めて紹介します。スラッジやカーボンでドロドロ真っ黒だった部品たちを強力パーツクリーナーに浸すこと3日間。部品たちが見違えるようにきれいになりました。
↑ヘッドカバーはピカピカですが、コーティング?が剥がれてしまってまだらになっています。ちなみにまだらは洗浄前からでしたので、パーツクリーナーが原因ではなさそうです。
↑シリンダーヘッドは新品と見間違えるほどピカピカになりました。
↑ピルポンプケース(タイミングチェーンカバー)も新品同様です。
↑カムシャフトもピカピカです。オイルレベルゲージはエンジンの前方に設置されているせいか腐食が見られて白くなってしまっています。エキゾーストマニホールドは汚れは落ちましたが錆は当然落ちていません。
↑ピストンもピカピカです。コネクチングロッドのベアリング(メタル)は表面が若干荒れています。
ちなみにこのパーツクリーナーは洗浄後、若干の防錆効果があるようです。しかし、あくまで「若干」ですので、長期間放置すれば錆が浮いてきます。長期間放置せざるを得ない場合は、オイルを塗布してラップで包むなどの対策を取りましょう。
2.研磨
ピストン周辺部品は、ピストンリング以外は摩耗があまり見られなかったので、部品は全て再利用することとしました。
しかし、組付ける前にコネクチングロッドのベアリングとの当たり面を見てみると汚い・・・。
汚れがすり潰されてこびりついている感じです。
試しにピカールで磨いてみると、すぐにピカピカになりました。
コネクチングロッドベアリングもピカールで磨くとピカピカになりました。ただし、整備書には「スクレーパー等でベアリングの修正を行わないこと」とありますので、やりすぎは禁物です。研磨しすぎると油すき間も変わってしまう可能性があるので、本当に表面をさらっと磨く程度に留めた方が良いと思います。
↑ピカピカになりました。
3本全て軽く磨きました。うっとりするくらいピカピカです。
次に古いピストンリングを取り外します。取り外しにはピストンリングプライヤーがあると便利です。
ピストンリングを外すだけなら手でも外すことはできますが、取り付けの際に手で取り付けるとピストンリングが歪む可能性があります。それ程高い工具でもないので購入しておいた方が無難です。
ピストンリングを外してみると、オイルリングで掻き取ったオイルを逃がす穴がカーボンで塞がってしまっています・・・強力パーツクリーナーでも落としきれなかったようです。穴がきちんと貫通している方が性能的にも良いのは間違いなさそうなのでこれもきれいにします。
1.5mmのドリルの刃を使って穴に詰まったカーボンをホジホジしていきます。もちろん電動工具は使わずに手で優しくホジホジです。
すると、カーボンが出るわ出るわ。上の写真は穴1箇所分から出たカーボンの量です。これを3つのピストンの全ての穴について行っていきます。
3.ピストンリング組付け
ピストンがきれいになったら、いよいよ新しいピストンリングを組付けていきます。
ピストンリングの品番は「12140-73G01」でした。
ご覧のとおり、駄菓子のおもちゃようなパッケージに入っており、ピストンリングの順番がバラバラになっています・・・
オイルリング以外のリングには「R」と「RN」のマークがついており、どちらがファーストリングかセカンドかについてネットで色々と調べてみましたが、結構書いてあることがバラバラで混乱してしまいました。そんな時は頼れる整備書です。
しかし整備書にも、どのマークがどっちのリングなのかは書いていません。あくまで断面形状で判断するようです。
断面をアップにしてみると、セカンドリングは淵に段差があることがわかります。これを目印にしてリングを組み付けてみると、ファーストリングは「RN」のマークがあるもの。セカンドリングは「R」のマークがあるものとなりました。
そして、忘れてはいけないのが、ピストンリングの合口(切り欠き)の位置です。合口の位置はメーカーで指定されており、正しい位置にセットしないと圧縮が漏れたりオイルを消費したりする原因となるとのことです。
K6Aエンジンの合口の位置は上図のようになっています。ピストンリングがすぐにくるくる回ってしまうので、かなり面倒な作業でした。特にオイルリングは3枚の薄いリングで構成されているので合口の位置を微調整するのが大変でした。
苦労の末、ようやくピストン一式が組み上がりました。ちなみに、整備書には「ベアリングを組み付けるときは、ベアリングにはオイルを塗布しない。」との注意書きがあるので注意しましょう。自分はがっつり塗ってしまいました・・・
ピストンをエンジンに組付けるまで期間が開きそうだったので、全体にオイルを塗ってラップで包んで保管しておきました。こうしておくことで錆を防ぐことができます。
今回はここまでにします。次回は、バルブのすり合わせについて書いていきたいと思います。
続く
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コメント
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同じくJB23に乗っていますが、やはり修理箇所は同じようなところが重複しててかなり親近感が湧いてしまいました
自分のジムニーは17万kmちょっとですが、自分もできるだけ長く乗ろうと考えています
いろいろと参考にさせていただきました
これからも頑張ってください
http://blog.livedoor.jp/showz7743/
しょうずさんのブログも拝見させていただきました。
これから着手しなければなと思っていた箇所も詳しく書かれていてとても参考になりましたし、ボルト折れなどでご苦労されている様子など当方も親近感が湧きました笑
自分ももっと記事書いていきたいのですが、HDDがクラッシュし画像データが失われしまったせいでアップロード出来ずにおります…
ネタが溜まってきたら記事を再開したいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
お互い長く乗れるよう頑張りましょう^_^!
JB23ー5型を新車で購入後20万キロでバルブがダメになり、行きつけのショップでエンジンをOHしました。そして現在37万キロなのですが、最近排気音が怪しくなってきていることに気付き、今回は自分でOHをと考え検索の果てにこちらにたどり着きました。まずは圧縮を計ってみますがおそかれ早かれバルブ周りはそろそろ見てみなくてはいけないと思っていますので。
自分はみんカラに書いているのですが、こちらのブログはとても参考になりました。貴重な体験共有ありがとうございます。今後の記事も期待しています。
はじめまして。コメントが遅くなり大変申し訳ございません。
37万キロとは脱帽です。その後さらに伸びているでしょうか?
自分のジムニーももうすぐ23万キロとなり相変わらず好調ですが、フレームの錆が気になりまじめています。
さすがにフレームは溶接等が必要になり、誰でもできるDIYの範囲を超えてしまうので自分で実施するか悩みどころです。
大変励みになるコメントありがとうございます。
またいつか、同じような境遇の方にプラスになるような情報を発信していければと思っています。
お互いジムニーライフを楽しみましょう!