今回はピストンリングの組付けについて書いていきます。前回(「エンジン分解整備4-バルブ&ピストン取り外し-」)で分解作業が終了し、部品も洗浄してきれいになったので今回から数回に分けてエンジン組付けについて書いていきたいと思います。

K6Aエンジンのピストンリングの組付けについては事前にかなり調べましたが、インターネット上にあまり詳しい情報が無く、ピルトンリングの順番や合口の位置など、かなり迷う部分がありましたので、今回は整備書と照らし合わせてできるだけ正しい情報を書いていきたいと思います。


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1.洗浄後の部品たち


まずは、洗浄した部品たちを改めて紹介します。スラッジやカーボンでドロドロ真っ黒だった部品たちを強力パーツクリーナーに浸すこと3日間。部品たちが見違えるようにきれいになりました。
ジムニーJB23_K6A_エンジン洗浄後2
↑ヘッドカバーはピカピカですが、コーティング?が剥がれてしまってまだらになっています。ちなみにまだらは洗浄前からでしたので、パーツクリーナーが原因ではなさそうです。
ジムニーJB23_K6A_エンジン洗浄後1
↑シリンダーヘッドは新品と見間違えるほどピカピカになりました。
ジムニーJB23_K6A_エンジン洗浄後3
↑ピルポンプケース(タイミングチェーンカバー)も新品同様です。
ジムニーJB23_K6A_エンジン洗浄後4
↑カムシャフトもピカピカです。オイルレベルゲージはエンジンの前方に設置されているせいか腐食が見られて白くなってしまっています。エキゾーストマニホールドは汚れは落ちましたが錆は当然落ちていません。
ジムニーJB23_K6A_ピストン洗浄後
↑ピストンもピカピカです。コネクチングロッドのベアリング(メタル)は表面が若干荒れています。

ちなみにこのパーツクリーナーは洗浄後、若干の防錆効果があるようです。しかし、あくまで「若干」ですので、長期間放置すれば錆が浮いてきます。長期間放置せざるを得ない場合は、オイルを塗布してラップで包むなどの対策を取りましょう。



2.研磨


ピストン周辺部品は、ピストンリング以外は摩耗があまり見られなかったので、部品は全て再利用することとしました。
しかし、組付ける前にコネクチングロッドのベアリングとの当たり面を見てみると汚い・・・。
ジムニーJB23_K6A_コネクチングロッド
汚れがすり潰されてこびりついている感じです。
ジムニーJB23_K6A_コネクチングロッド研磨後
試しにピカールで磨いてみると、すぐにピカピカになりました。
ジムニーJB23_K6A_コネクチングロッドベアリング
コネクチングロッドベアリングもピカールで磨くとピカピカになりました。ただし、整備書には「スクレーパー等でベアリングの修正を行わないこと」とありますので、やりすぎは禁物です。研磨しすぎると油すき間も変わってしまう可能性があるので、本当に表面をさらっと磨く程度に留めた方が良いと思います。
ジムニーJB23_K6A_コネクチングロッド&ベアリング2
↑ピカピカになりました。
ジムニーJB23_K6A_コネクチングロッド&ベアリング1
3本全て軽く磨きました。うっとりするくらいピカピカです。
ジムニーJB23_K6A_コネクチングロッド&ベアリング3
次に古いピストンリングを取り外します。取り外しにはピストンリングプライヤーがあると便利です。
ピストンリングを外すだけなら手でも外すことはできますが、取り付けの際に手で取り付けるとピストンリングが歪む可能性があります。それ程高い工具でもないので購入しておいた方が無難です。



ジムニーJB23_K6A_ピストンリング溝カーボン除去1
ピストンリングを外してみると、オイルリングで掻き取ったオイルを逃がす穴がカーボンで塞がってしまっています・・・強力パーツクリーナーでも落としきれなかったようです。穴がきちんと貫通している方が性能的にも良いのは間違いなさそうなのでこれもきれいにします。
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング溝カーボン除去2
1.5mmのドリルの刃を使って穴に詰まったカーボンをホジホジしていきます。もちろん電動工具は使わずに手で優しくホジホジです。
すると、カーボンが出るわ出るわ。上の写真は穴1箇所分から出たカーボンの量です。これを3つのピストンの全ての穴について行っていきます。



3.ピストンリング組付け


ピストンがきれいになったら、いよいよ新しいピストンリングを組付けていきます。
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング
ピストンリングの品番は「12140-73G01」でした。
ご覧のとおり、駄菓子のおもちゃようなパッケージに入っており、ピストンリングの順番がバラバラになっています・・・



オイルリング以外のリングには「R」と「RN」のマークがついており、どちらがファーストリングかセカンドかについてネットで色々と調べてみましたが、結構書いてあることがバラバラで混乱してしまいました。そんな時は頼れる整備書です。

ジムニーJB23_K6A_ピストンリング組付け方法1
しかし整備書にも、どのマークがどっちのリングなのかは書いていません。あくまで断面形状で判断するようです。
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング組付け方法2
断面をアップにしてみると、セカンドリングは淵に段差があることがわかります。これを目印にしてリングを組み付けてみると、ファーストリングは「RN」のマークがあるもの。セカンドリングは「R」のマークがあるものとなりました。
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング組付け1
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング組付け2
そして、忘れてはいけないのが、ピストンリングの合口(切り欠き)の位置です。合口の位置はメーカーで指定されており、正しい位置にセットしないと圧縮が漏れたりオイルを消費したりする原因となるとのことです。
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング組付け方法3
K6Aエンジンの合口の位置は上図のようになっています。ピストンリングがすぐにくるくる回ってしまうので、かなり面倒な作業でした。特にオイルリングは3枚の薄いリングで構成されているので合口の位置を微調整するのが大変でした。
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング組付け3
苦労の末、ようやくピストン一式が組み上がりました。ちなみに、整備書には「ベアリングを組み付けるときは、ベアリングにはオイルを塗布しない。」との注意書きがあるので注意しましょう。自分はがっつり塗ってしまいました・・・
ジムニーJB23_K6A_ピストンリング組付け4
ピストンをエンジンに組付けるまで期間が開きそうだったので、全体にオイルを塗ってラップで包んで保管しておきました。こうしておくことで錆を防ぐことができます。


今回はここまでにします。次回は、バルブのすり合わせについて書いていきたいと思います。

続く


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